在留資格【経営・管理】とは

スタッフ
VISA子

こんにちは。VISA/在留資格愛知県申請オフィス(行政書士アイセイ事務所)。
本日はどのようなご用件でしたか?

社長

こんにちは。今日は日本で事業を始めたい外国人がいるので、それの相談にきたんだけど・・・。
日本人が日本で起業するのでもなんだかハードルが高い気がするのだけど、外国人が、となるとどういう感じで進めていくといいのかどうしたらいいのか教えてもらえますか?

スタッフ
VISA子

外国人の方が日本で起業ですか!すごいパワフルな感じですね。自分で自分の考える会社を始めるって、リスクもあるけどとても魅力的ですよね。
その外国人の方はどこまで考えを進めているんでしょうか?

社長

この前聞いた話だと、日本でお店を開きたいと言っていたかな?暮らしをプロデュースしたいとかなんとか・・・。
ちなみに今は留学生として日本にいるよ。

スタッフ
VISA子

そうなんですね。ではまだイメージ的な感じで具体的に何かを進めているわけではないようですかね?
それでは、日本で起業して会社をスタートさせる、全体的な流れからご説明していきますね。

スタッフ
VISA子

日本で会社を経営していくという場合には今は留学生とのことなので、【留学】から、在留資格も【経営・管理】という在留資格に変更することになります。
会社を経営するとなると、資本金なども必要になりますし、事業を行う場所も用意しなければならない上に、提出するための必要書類もそろえる必要が出てきます。
事業所について、基準省令ではこのように書かれています。

社長

わたしも経営者だからよくわかるよ。事業所も含めお金の準備は大切だよね。

スタッフ
VISA子

皆様工夫されていらっしゃいますよね。
実は基準省令で事業所についても「事業を営むための施設が日本に存在すること」と定められてるんですよ。

スタッフ
VISA子

事務所の確保をガイドラインを基準に判断しますと、

●経済活動が単一の経営主体のもとにおいて一定の場所、一区画を占めて行われていること。
●財貨及びサービスの生産又は提供が、人および設備を有して、継続的に行われていること。

この二つを満たしている場合には、事業所を確保していると認められます。

経営管理の事業所の確保について

  • 【経営・管理】の在留資格については、事業が継続的に運営されることが求められるので、月単位で賃貸するようなマンスリーオフィスや、処分が容易な屋台などを利用することは適切ではありません。但し、インキュベーターが支援している場合等、一定の条件のもと一時的な事業用オフィスの貸与であっても事業所の確保として認められるケースもあります。
  • 事業所については賃貸物件が一般的になるので、その使用目的が事業用であること、店舗、事務所使用など事業目的を明らかにすることが必要です。また、賃貸借契約者を法人名義として、事業での使用であることが契約当事者の面からも明確にされている必要があります。
  • 住居として賃借している物件の一部を事業所として使用するような場合には、住居目的以外での使用を貸主が認めており、また、 事業の看板や表札などの社会的標識が掲げてある事業が行える設備などを備えた部屋が必要です。この部屋は、移動可能な簡易な区切りでなく、固定された壁等で区画分けされた事業目的占有の部屋が適切です。他にも、事業所に係る公共料金などの共用費用の支払いに関する取り決めが明確になっていることも大切です。
VISA子

次に、事業の継続性も求められますので、 事業の継続性をガイドラインを基準に判断しますと、

●事業が赤字続きの場合
●粗利が確保できていない場合(原価割れの商売等)

この二つのどちらかに当てはまる場合には要注意です。
下記「経営管理の事業の継続性についての補足」で詳しくご説明しますね。

経営管理の事業の継続性についての補足

  • 直近期(前期)又は直近期前期(前々期)において売上総利益がある場合
    • 直近期末において剰余金がある場合又は剰余金も欠損金もない場合には直近赤字でも事業の継続性があると認められます。
    • 直近期末において欠損金がある場合
      • 直近期末において債務超過となっていない場合には「今後1年間の事業計画書」及び「予想収益資料」の提出を求めることで、疑義が生じる場合を例外とし、原則として事業の継続性があると認められます。(状況により「中小企業診断士等の評価書」を追加資料として提出します)
      • 直近期末において債務超過であるが、直近期前期末では債務超過となっていない場合には、「中小企業診断士等の評価書」により1年以内の改善の見通しを示すことができれば事業の継続性があると認められます。
      • 直近期末及び直近期前期末ともに債務超過である場合には、事業の継続性あるとは認められません。
  • 直近期及び直近期前期においてともに売上総利益がない場合には、それをもって事業の継続性があるとは認められなくなってしまいます。
スタッフ
VISA子

他にも、基準省令では事業の規模についても定められています。

事業の規模条件

  1. 経営管理に従事する者以外日本に居住する二人以上の常勤職員が従事して営まれるものであること
  2. 資本金の額、または、出資の総額が500万円以上であること
  3. 上記二つに準ずる規模であると認められるものであること
スタッフ
VISA子

上記3.に記載されている「準ずる規模」と認められるためには、営まれる事業の規模が実質的に1.または2.と同視できるような規模である必要があります。例えば、1.に準ずる規模だったら、常勤職員が一人しかいないような場合であれば、もう一人従事させるのにかかる費用(250万円程度必要)を投資して営まれているような事業の規模であったり、2.の準ずる規模だったら、外国人が個人事業を開始する場合、500万円以上を投資して営まれているような事業の規模がこれにあたります。

スタッフ
VISA子

この場合の500万円の投資というのは、その事業を営むのに必要なものとして投資されている総額であり、事業所の確保や雇用する職員の給与、その他事務機器の購入経費などの目的でつかわれているものがこれにあたります。

社長

日本人が経営する会社は、今は資本金の額に制限なんかないのに、外国人が事業をするのは大変なんだね。
だいぶ頭のなかがチンプンカンプンで、パンクしそうになってきたな。もうこんな大変なの本当に大丈夫なの?

スタッフ
VISA子

そうなんですよね。在留資格の【経営・管理】は、実態のない紙面上の会社での虚偽申請を防ぐ意味でも、難易度は高めの手続きだと言えると思います。
在留資格が取れなかったら、事業所を確保したり他にそろえるべきものを購入したりで使ったお金が無駄になってしまいます。手続きにあたっては、その点も十分に留意していただく必要があります。

社長

せっかくの初期投資が無駄になってしまうことがあるんだね。

スタッフ
VISA子

あと、 申請人が事業の 「経営」者でなく、「管理」者の場合には、三年以上の経験(大学院において経営管理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有している必要があります。
他の在留資格の基準でもありますが、この場合には日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることも要件となっています。
なお、管理者本人の出資は特段要件とはなりません。

スタッフ
VISA子

経営者又は管理者の方には、今後も事業を継続していくために事業計画をきちんと立てて、日本でのビジネスを是非成功に導いていただきたいですね。
そのための協力は弊所も喜んでさせていただきます。

申請に必要な一般的な書類

在留資格認定証明書交付申請書
写真(縦4cm×横3cm)
返信用封筒(定型封筒に宛先明記、404円分切手貼付)
カテゴリーのいずれかに該当する証明する文書
●会社の四季報の写しまたは証券取引所に上場している証明文書
●主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
●前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)

会社の規模により、必要になってくる資料
●申請人の活動の内容などを明らかにするいずれかの資料
(1)日本法人である会社の役員に就任する場合
役員報酬を定める定款の写しまたは役員報酬を決議した株主総会の議事録
(2)外国法人の日本支店に転勤、会社以外の団体役員に就任の場合
地位、期間、報酬額を明らかにする所属団体の文書(派遣状、移動通知書など)
(3)日本で管理者として雇用される場合
雇用契約書など
●日本において管理者として雇用される場合、事業の経営または管理について3年以上の経験(大学院において経営、管理に係る科目を専攻した期間含む)を有する文書
(1)関連する職務に従事した機関、活動内容、期間を明記した履歴書
(2)関連する職場に従事した期間を証明する文書(大学院にいうて経営、管理に係る科目を専攻した期間の記載された学校からの証明書含む)
●事業内容を明らかにするいずれかの資料
(1)事業を法人において行う場合は、当該法人の登記事項証明書の写し(法人の登記が完了していない場合、定款その他法人において当該事業を開始しようとしていることを明らかにする書類の写し
※本邦において法人を設立する場合と外国法人の支店を本邦に設置する場合との別を問わない。
(2)勤務先などの沿革、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む)などが詳細に記載された案内書
(3)その他の勤務先などの作成した(2)に準ずる文書

●事業規模を明らかにするいずれかの資料
(1)常勤の職員が二人以上であることを明らかにする賃金支払いに関する文書と住民票、その他の資料
(2)登記事項証明書
※事業内容を明らかにする資料で提出していれば不要
(3)その他事業の規模を明らかにする資料
●事務所用施設の存在を明らかにする資料
(1)不動産登記簿謄本
(2)賃貸借契約書
(3)その他の資料
●事業計画書の写し
●直近の年度の決算文書の写し
●給与支払い事務所などの開設届け出書の写し
●次のいずれかの資料
(1)直近3か月分の給与所得・退職所得などの所得税徴収高計算書(領収日付印のある者の写し)
(2)納期の特例を受けている場合はその承認を受けていることを明らかにする資料

※このほかにも、申請の過程で追加資料の提出が必要になる場合もあります。

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