不法滞在ってどういうこと？

こんにちは。VISA/在留資格愛知県申請オフィス（行政書士アイセイ事務所）です。
本日はどのようなご用件でしたか？

え！大きい声では言えない話というと、どんなことでしょう・・・。ドキドキしますね。なんでしょうか？

知り合いの外国人の方の相談でしたか。社長さんが何かしてしまったのかと思いました。
でも、在留資格の在留期限が過ぎてしまったとなると、困りますよね。いろいろ詳しくうかがっていいですか？

その外国人の方はどれくらいのオーバーステイになるんでしょうか？あ、オーバーステイというのは、不法残留のことです。
不法滞在には、「在留許可の期限が過ぎてしまった不法残留」と、「在留許可が最初からない不法入国」も含まれています。
どちらにしても、法律違反の状態で日本にいることになるので、早く対処したほうがいいと思います。

それでは、順に説明していきますね。
まずはその外国人の方の現状です。今は不法残留になってしまっています。きちんと許可を受けて日本に来たけれども、日本にいられる期限を過ぎてしまっている状態ですね。

まずは、不法残留してしまっている本人が入管局に出頭しましょう。違反調査という、退去強制手続きの第一段階で、入管法第24条に規定されている退去強制事由に該当すると思われる外国人に対して入国警備官が行う調査です。
出頭申告とは、刑事手続きの自首と同じような感じで、自ら地方出入国在留管理局に出頭して、その容疑を申告することです。

出頭申告には、容疑を申告して早く退去強制手続きを受けて帰国したいという場合と、容疑を申告しても日本にそのまま在留したいという場合があります。

早く帰国をしたいという場合には、退去強制手続きを終えたら、旅券や航空券など送還要件が整っていれば速やかに送還先に退去となります。

何らかの理由があって、日本にそのまま在留を希望する場合は、退去強制手続き中に、日本で生活したい理由を具体的に申し立て、在留を希望することができますが、日本での在留が特別に許可されるか、不許可になるかは違反調査、違反審査、口頭審理を経てから、法務大臣の採決で決定されます。

日本で在留を希望する場合は、その理由によって提出する資料なども変わってくるので、近くの地方入管局に本人が出頭し説明を受ける必要があります。

今は、不法滞在がとても増えている問題もあって、「不法残留です」と自分から出頭するのを促す意味も含めて、出国命令制度というのもあるんですよ。
５つの条件を満たすことで、収容されることなく、その制度を利用して出国できます。

出入国在留管理庁に摘発された不法残留者や、不法入国者の場合には出国命令の対象になりません。退去強制手続きになります。
もし、退去強制手続きで出国した場合には、最低5年間は日本に入国はできませんが、この出国命令制度で出国した場合には、その期間は1年になります。
※どちらの場合でも、日本に入国できるという保証はありません。

収容され退去強制になるとしても、受け入れ側の国が受け入れ可能になるまで収容される場合もあり、そのようなケースでは収容期間も長期化してしまうこともあり得ます。
出国命令制度を活用できるとメリットが大きいですよね。
出国命令制度での手続きの期間は、２～３週間だそうですよ。