在留資格【定住者】はどんな資格?

スタッフ
VISA子

こんにちは。VISA/在留資格愛知県申請オフィス(行政書士アイセイ事務所)です。
本日はどのようなご用件でしたか?

社長

こんにちは。この間知り合いの外国人と話をしていたらね、「テイジュウシャ」っていう在留資格を聞いたんだけど、これはどういうものなの?永住とかそういうのに近いものなのかな?

スタッフ
VISA子

それは定住者という在留資格ですね。
この在留資格は「法務大臣が特別な理由を考慮して、一定の在留期間を指定して居住を認める者」のことを指しているんですが、これだけじゃ、なんのこっちゃって感じですよね。

社長

うん、確かになんじゃそりゃ?って感じだね。それだけ聞くと、法務大臣が決めれば定住者になれるっていうことなのかな?

スタッフ
VISA子

この定住者という在留資格は、身分または地位にもとづく在留資格で、定住者以外は、【永住者】、【日本人の配偶者等】、【永住者の配偶者等】で、全部で4種類あります。この4つの在留資格には、就労の制限はなく、該当する外国人は資格外活動許可なしに就労することができます。なので、週に28時間までという制限もありません。日本人と同じように働くことができると考えていいと思います。
但し、制限はないといっても、労働基準法等の労働関係法の適用は原則ありますので、残業等についても日本人同様の留意が必要ですね。

社長

おー。すごいね。定住者の在留資格を取れたらもうずっと安泰な感じがするね!

スタッフ
VISA子

そうですね。でも永住者以外の3つは在留期間が決められているので、ずっと日本にいるのであれば、更新も必要になってきます。

社長

なーんだ、期間は決められているんだね。それで、どんな人が定住者にあてはまるの?

スタッフ
VISA子

定住者にあてはまるのは、日系3世2世およびその家族や、中国残留邦人等外国人配偶者の連れ子第三国定住難民日本人の配偶者と離別や死別した一定の外国人定住者の配偶者などが該当してきます。
一部告示外のものもありますが、詳細は法務省告示「 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第二の定住者の項の下欄に掲げる地位を定める件(平成2年法務省告示第132号) 」で定められているんですよ。

社長

第三国定住難民ってなんだか難しそうなんだけど、どういうこと?

スタッフ
VISA子

第三国定住難民というのは、すでに難民キャンプなどで生活しているなど、難民となっている者を一時避難国以外の別の国が受け入れる制度のことです。日本では2010年から受け入れを開始しています。

社長

定住者のなかでもいろいろ分かれているような感じなのかなぁ。ちょっと難しい分野の在留資格な気がしてきたよ。

スタッフ
VISA子

そうですね、法務大臣が特別な理由を考慮しての部分が難しさを倍増している感じですかね。

スタッフ
VISA子

それでは、具体的な事例で、定住者に認められた例と認められなかった例とで見ていきましょうか。
この事例は、【日本人の配偶者等】または【永住者の配偶者等】の在留資格で日本に在留している外国人にたいして、【定住者】へ在留資格変更許可申請の許可された事例と不許可になった事例です。ぞれぞれのケースごとに状況が異なるので、事例に似たケースでも結果が違う場合があります。

【定住者】在留資格変更許可が認められた事例

1.外国人女性、日本への在留期間:約6年、前配偶者:日本人男性、婚姻期間約:6年6か月、死別・離婚の別:離婚、前配偶者との実子の有無:日本人実子
特記事項:親権者は申請人、日本人実子の監護、養育実績あり、訪問介護員として一定の収入あり
2.外国人女性、日本への在留期間:約5年1か月、前配偶者:日本人男性、婚姻期間:約3年、死別・離婚の別:事実上の破綻、前配偶者との実子の有無;無し
特記事項:前配偶者による家庭内暴力が原因で婚姻関係が事実上破綻、離婚手続きは具体的に取られていない状況にあったものの、現に別居し双方が離婚の意思を明確に示していた。看護助手としての一定の収入あり
3.外国人男性、日本への在留期間:約13年8か月、前配偶者:特別永住者女性、婚姻期間:約6年1か月、死別・離婚の別:死別、前配偶者との実子の有無:無し
特記事項:金属溶接業経営を継続する必要あり、金属溶接業経営により一定の収入あり
4.外国人女性、日本への在留期間:約8年1か月、前配偶者:日本人男性、婚姻期間:約4年5か月、死別・離婚の別:離婚、前配偶者との実子の有無:日本人実子
特記事項:前配偶者による家庭内暴力による家庭内暴力が原因で離婚、前配偶者による家庭内暴力により外傷後ストレス障害を発症、親権者は申請人、日本人実子の監護、養育実績あり
5.外国人女性、日本への在留期間:約10年5か月、前配偶者:日本人男性、婚姻期間:約11年5か月、死別・離婚の別:事実上の破綻、前配偶者との実子の有無:無し
特記事項:配偶者による家庭内暴力が原因で通算8年以上別居(同居期間は通算約2年)、配偶者が申請人との連絡を拒否、離婚手続きを進めるため弁護士に相談
6.外国人女性、日本への在留期間:約8年8か月、前配偶者:永住者男性、婚姻期間:約6年、死別・離婚の別:事実上の破綻、前配偶者との実子の有無:外国人(永住者)実子
特記事項:配偶者による家庭内暴力が原因で3年以上別居、子の真剣争いがあり離婚調停不成立、離婚訴訟準備中
7.外国人男性、日本への在留期間:約8年3か月、前配偶者:日本人女性、婚姻期間:約7年9か月、死別・離婚の別:離婚、前配偶者との実子の有無:日本人実子
特記事項:日本人実子に対して毎月3万円の養育費の支払いを継続、会社員として一定の収入あり、親権者は前配偶者

【定住者】在留資格変更許可が認められなかった事例

  1. 外国人男性、日本への在留期間:約4年10か月、前配偶者:日本人女性、婚姻期間:約3年、死別・離婚の別:離婚、前配偶者との実子の有無:日本人実子
    特記事項:詐欺および障害の罪により有罪判決、親権者は前配偶者
  2. 外国人男性、日本への在留期間:約4年1か月、前配偶者:永住者女性、婚姻期間:約3年11か月、死別・離婚の別:事実上の破綻、前配偶者との実子の有無:無し
    特記事項:単身で約1年9か月にわたり本邦外で滞在
  3. 外国人女性、日本への在留期間:約4年1か月、前配偶者:日本人男性、婚姻期間:約3年10か月、死別・離婚の別:死亡、前配偶者との実子の有無:無し
    特記事項:単身で約1年6か月にわたり本邦外で滞在、本邦在留中も前配偶者と別居し風俗店で稼働
  4. 外国人女性、日本への在留期間:約3年4か月、前配偶者:日本人男性、婚姻期間:約1年11か月、死別・離婚の別:離婚、前配偶者との実子の有無:無し
    特記事項:前配偶者の家庭内暴力による被害を申し立てた2回目の離婚、初回の離婚時に前配偶者による家庭内暴力を受けていたとして保護を求めていたが間もなく前配偶者と再婚、前配偶者との婚姻期間は離再婚を繰り返していた時期を含め約1年11か月
  5. 外国人女性、日本への在留期間:約4か月、前配偶者:日本人男性、婚姻期間:約3か月、死別・離婚の別:離婚、前配偶者との実子の有無:無し
    特記事項:前配偶者の家庭内暴力による被害を申し立てて申請、婚姻同居期間は3か月未満
  6. 外国人女性、日本への在留期間:約3年3か月、前配偶者:日本人男性、婚姻期間:約2年1か月、死別・離婚の別:離婚、前配偶者との実子の有無:無し
    特記事項:前配偶者の家庭内暴力による被害を申し立てて申請、日本語学校に通うとして配偶者と別居したが、風俗店に在籍していたことが確認されたもの、婚姻の実体があったといえるのは約1年3か月
社長

家庭内暴力のケースが目立つね。

スタッフ
VISA子

そうですね。家庭内暴力として申請を受理し、実態、内容等を含む総合的な事情を斟酌した結果の許可又は不許可ということでしょう。

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